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2010年3月28日 (日)

「フローズン・リバー」の母親を許す。

「フローズン・リバー」を観に行きました。
愛知県では「名演小劇場」のみでの公開のようです。

余談ですが、劇場で「ブラスト公論」を読んでいる男性を発見!
わたくしより若いと思われる好青年でした。
同じメディアに接しているんだろうな、と思いました。

さて、この映画。
わたくしは、映画評論家(?)の町山智浩さんがずいぶん前に紹介しているのを聞いて、
なんとなく興味を持っていた程度でした。

町山さんは、この映画をこんな風に紹介していたと記憶しています。
カナダとアメリカの国境の間には凍った川があり、その川の両岸には
モホーク族(インディアン)の「保留地」がある。
そこは、アメリカの警察などがなかなか介入するできない。
しかしモホーク族は自由に行き来できるので、
いろいろな人が、カナダ経由でアメリカに密入国するのに使われる。
主人公の母親は、ギャンブル狂いの夫のせいでお金に困り、
ある出来事からこの密入国を手伝い報酬を得ることになる。
凍った川を、密入国者を車のトランクに入れてアメリカまで運ぶのである。
ある日、中東系の男女の密入国を手伝う。
彼らは大きなかばんを持っていたのだが、
自爆テロでもするテロリストではないかと疑い、
かばんを爆弾だと思い、そのかばんを凍った川の上に放置してしまう。
ところが、そのかばんには、赤ん坊が入っていて…。

ここまで聞くと、サスペンスっぽい映画なのかと思うのですが、
なかなかそういう雰囲気ではなく、どことなく牧歌的な場面が続きます。
密入国がおこなわれても、案外、日常の延長のように見えます。
この映画、実は、家族だとか、子どもだとか、母親だとかの関係を描いている映画です。

白人と、モホーク族の女性ふたりが主人公となるのですが、どちらも母親。
そしてどちらも、子どものために、行動しています。そして同じく、夫を欠いているという。

白人女性「レイ」は、子どもには愛情たっぷりです。
息子が2人いるのですが、上の息子「T.J.」が、悪い友達とつきあうことを快く思っていません。
友達が盗んだおもちゃを弟にプレゼントしたことも「どうせ盗んだのでしょ」と否定的にとらえます。
しかし、レイ自身は密入国に手を貸しているわけです。
密入国で手にした報酬で、新しい家を買い、クリスマスプレゼントにしようとしているのです。
おまけに、銃をふりまわし、撃ちまくったりしているのです。
この「レイ」、映画での描かれ方が「子どものことを考えて無茶している母親」
といった感じなので、「やむを得ず密入国の手伝い」みたいな同情を誘いそうなんですが、
よく考えると、ものすごく危険な犯罪に手を染めているわけで、
少しは何かあったときのことを考えたらどうなんだ、なんて思っちゃいます。
自分でも「子どもたちには、わたししかいない」みたいな事を言いますし。
しかし、駄目な母親なわけです。決して、「強い母親」ではないのです。

この映画の終盤では、「許し」がいくつか出てきます。
ひとつ例を挙げます。
T.J.がちょっとした詐欺みたいなもんに手を染めるんですが、
その被害者のおばあさんに「ごめんなさい」と言うことで許されます。
保安官みたいな人も出てくるんですが、それで許されるわけです。
ここで登場する大人たちは、とても、心が広いのです。
実は、T.J.はとってもいいお兄さんなのです。
そりゃ、悪いこともしますが。
家族思いの、とっても優しいお兄さんです。

登場するいろんな人が、どんどん悪い方に向かっていき、
救いがないような展開になりながら、
「謝罪」「許し」を経て、あるひとつのところに集まってくる。
なんともいえない、幸せな場面です。

レイだけは結局、刑務所に入ることになりますが、
まあ、数ヶ月刑務所に入って、お灸を据えられてこい、って思います。
だけど、わたくしも、広い心を持ってレイを許し、
出所してきたら子どもたちと幸せに暮らすがいいさ、と思うのでありました。

考えれば考えるほど、味が出てくる映画でした。
これは、おすすめです。子どもを抱きしめたくなる映画です。

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