フォト
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

ウェブページ

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 庭のいちご、果たして実がなるのか? | トップページ | 天体観測に遠征。偶然(!)M27が望遠鏡の視野に入る。 »

2011年4月26日 (火)

伊藤計劃さん「虐殺器官」を読んでいたら、「フィリップ・K・ディック賞」特別賞受賞のニュース。

伊藤計劃さんの「ハーモニー」が、
すぐれたSF小説に贈られる「フィリップ・K・ディック賞」の「特別賞」を受賞したというニュースが
おとといくらいの新聞に載っていました。
ちょうどわたくしは「虐殺器官」(早川書房)を読んでいたところだったので、
新聞紙面に「伊藤計劃」という文字を見てびっくりしました。
きっと大森望さんも喜んでいらっしゃると思います。

さて、「虐殺器官」ですが、どうにもタイトルだけで毛嫌いする方が多いのではないかと思います。
虐殺しまっくてる感がぷんぷんしますもんね。

今、わたくしたちが生きている社会がどんどん進んだ未来、
案外、この小説に出てくる技術に似たものが現実になっているかもしれません。
そう考えると、マスコミとか、世論の動き方とかにいちいち
「あれ、これは?」なんて思いを馳せてしまいます。

引用します。
  「仕事だから。十九世紀の夜明けからこのかた、
   仕事だから仕方がないという言葉が虫も殺さぬ凡庸な人間たちから、
   どれだけの残虐さを引き出すことに成功したか、きみは知っているのかね。
   仕事だから、ナチはユダヤ人をガス室に送れた、(略)」引用終わり。

そう、仕事にかぎらず、なんだかんだと自分を納得させるための言い訳をし、
実は「これはいかんだろ」と思っていることをやってしまったり、
起こさなくてはいけない行動をおさえこんだり、
そういうことを常にしているなあ、と思ったのであります。

そうやっていろんな言葉を使って言い訳しながら生活している!
その言葉を逆手にとられたらどうなるか…。
そういうことも中心に据えられた小説でした。

「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリー映画がありました。
アフリカ最大の湖、ヴィクトリア湖を舞台とした、
ナイルパーチというお魚をめぐるかなり悲惨な現実を告発している映画で、
そこの子どもたちの姿はとても観ていられないくらいでした。
ナイルパーチは日本にも輸出されているということでかなりショックを受けました。

「虐殺器官」では、そのヴィクトリア湖が後(未来ですが)に「家畜人ヤプー」的目的を獲得し、
相変わらず現地の人々を苦しめていました。
この状況は、何のために小説で語られているのでしょう?
さらにいえば、この小説に出てくる「戦争」という「産業」。
伊藤計劃さんは、いわゆる「やとわれ兵」というものに興味を持ったと言っていたと思います。
(「伊藤計画記録」(早川書房))
このようにさまざまな現代的な暗い部分がいやというほど反映されていて、まったく救いがないです。

救いがないといえば、結果、主人公はエピローグで何を語り出したか。
「何すんねん!」というツッコミしか思いつきません。

そして、その後、多くの災禍を乗り越えて訪れるのは「ハーモニー」ということなのでしょう。

« 庭のいちご、果たして実がなるのか? | トップページ | 天体観測に遠征。偶然(!)M27が望遠鏡の視野に入る。 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/551574/51502029

この記事へのトラックバック一覧です: 伊藤計劃さん「虐殺器官」を読んでいたら、「フィリップ・K・ディック賞」特別賞受賞のニュース。:

« 庭のいちご、果たして実がなるのか? | トップページ | 天体観測に遠征。偶然(!)M27が望遠鏡の視野に入る。 »